アンテナ設置料収入のあるマンション管理組合に法人税がかかります。収益事業があるため税務申告が必要となります。税務署からお尋ね書が来た場合にどう対応すべきかを記事にしました。
アンテナ設置料収入のあるマンション管理組合はなぜ法人税がかかるか?
マンション管理組合とは?
マンションの住人で構成されるマンション管理組合は、法人として取り扱われます。
さらに、法人の区分は、人格のない社団等に該当します。
学校の生徒の親で構成されるPTAやOB会などと変わりありません。法人なのに登記もされていません。
マンション管理組合はなぜ法人税がかかるのか?
ドコモ、ソフトバンク、auなど通信会社は、高さのあるマンションの最上階に通信アンテナを地代を払って、建てています。
マンション管理組合は、組合員ではない、外部の方にアンテナ設置の地代を貰うことになるために収入が発生します。
法人税では、これを収益事業があると考え、このアンテナ設置収入に関しては、法人税がかかることになります。
PTAのような存在のマンション管理組合としては、収益事業があるために法人税がかかるという認識がなく、無申告の場合がほとんどです。
そのため、4年ぐらい前から税務署が問題視し、無申告のお尋ね書がマンション管理組合に一斉に発送されています。
税務署からお尋ね書がきた場合にはどうすべきか?
管理会社が対応できるのは収支計算書作成まで?
税務署からお尋ね文書、収益事業開始届出書、法人設立届出書、確定申告書作成などは、管理会社の方が税務申告することが出来ません。
税理士法違反になるからです。そのため、税理士に依頼をし、速やかに届出書類作成、法人税申告、納付を行わないといけません。
マンション管理組合の住人は、理事長が毎年代わることが多いので、理事長が申告や納付をすることは考えづらいです。
何年さかのぼって、法人税申告と納付をしないといけないか?
過去5年間さかのぼって、期限後の法人税の確定申告書提出と納付をしないといけません。税務署だけでなく、県税事務所、市役所(区役所)にも申告と納付が必要となります。
国、県、市の3ヶ所でそれぞれ5年分の申告と納付が必要となります。
本税(罰金税除く)の負担は、7万+アンテナ設置収入の利益×20%程度です。
まとめ
通信会社に屋上のアンテナの場所を貸している場合、マンション管理組合には、法人税がかかります。
私の私見ですが、アンテナ設置収入が、年100万円を超えるマンション管理組合に無申告のお尋ね書が届いています。
知らなかったこと、知っていたけど問題にするのが怖かったことかも知れません。
ただ、日本は、来年から5Gのスマホなど通信機器が販売されることが予定されています。
通信会社のアンテナも大きくなったり、多くなったりしています。
アンテナが大きくなれば、地代も上がり、契約書も更新したり、整備されています。
仮に100万円以内のアンテナがあるマンション管理組合も今のうちに対応して、申告や納付をされておいた方が、後に大きな問題となって降りかかる可能性が低くなります。
20件以上マンション管理組合を申告や納付をさせていただくと、マンション住人の方の気持ちや管理組合の方の気持ち、税務署の感覚の違いでいくつか気付くことがあります。
何かお困りのことがあれば、お問い合わせフォームからご質問ください。
■編集後記
マンション管理組合の案件は、ほぼ毎月申告させていただいています。
5Gアンテナに変わっていき、アンテナ収入が増えているマンションが多いため、今日の記事に至りました。
税金を払うのは、苦痛ですが、いずれは対応しなくてはならないものです。
5Gアンテナに変わる今のタイミングで、申告することをおすすめします。
昨日は、法人の決算報告1件、午後は法人の月次入力作業という1日でした。
■「1日1新」
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