2023年10月から予定されるインボイス制度。その導入前に法人成りする事のメリットについて解説します。
インボイス制度とは何か?
消費税のインボイス制度とは、モノの売り手の事業者が買い手に対し、消費税の税率や税額を伝えるために発行する請求書のことです。(モノにはサービスを含む)
個人事業主や法人は、モノの購入先が免税事業者であっても、消費者であっても現在は消費税を減算できます。
計算式にするとこのような感じ
売上にかかる消費税 ー 仕入(経費)にかかる消費税=国に納める消費税額
しかし、4年後からはモノの購入先が免税事業者や消費者であった場合には、減算が出来なくなります。
減算が出来ない事業者からのモノの購入は控えることが考えられます。(取引先として除外される)
そのため中小企業としては課税事業者を選択して、インボイス請求書を発行することが
求められます。(消費税を納付する事業者になる)
法人成りすると消費税が免税になる期間がある
個人事業主が法人成りをした場合は消費税の免税になる期間があります。
19ヶ月間の免税期間がとる事が出来ます。(消費税の納税義務なし)
理由は、法人の設立事業年度は2年前の法人の事業年度がなく、設立2期目は、前年度が7か月以内であれば基本的には消費税の納税義務が発生しません。(他にも法律がありますが)
そのため、法人の資本金を1千万円未満、かつ、設立事業年度を7か月以内にして法人成りをするとよいでしょう。
インボイス導入前に法人成りする事のメリット
インボイス制度導入前に、免税事業者である19ヶ月間を利用して節税し、かつ、インボイス制度導入後は、取引先から除外されないように課税事業者となる事が求められるでしょう。
言い換えますと
節税のメリット、国の施策に沿う事業形態を
選ぶと良いのではないでしょうか。
最後にまとめます。
仮に個人事業者の方で法人成りを考えているのでしたらこれから4年間は法人成りのチャンスといえます。
ぜひ検討しましょう。
■編集後記
先週は個人1件、法人1件の打ち合わせ。九州北部税理士会の研修が2日間ありました。
税理士会の研修内容は、「相続税納税猶予」、「消費税の軽減税率とインボイス制度」
と今後のブログでお伝えしたい内容でした。
また、「家族信託」、「ブログセミナー」など研修やセミナーづくしの1週間でした。
「家族信託」に強い弁護士さんの事務所に伺うことになったので、そこで得た自分なりの「気付き」をブログで執筆したいと思っております。
■「1日1新」
Windowsのスニペットツール「Phrase Express」
インボイス制度においても時短経理が可能になることについての記事は→こちら