フリーランスは、必ず年末決算となります。消費税の簡易課税の届出も年末までです。届出をする必要がある人。ない人はどんなフリーランスなのか?記事にしました。
フリーランスが消費税を申告・納付しないといけない場合とは?
フリーランスが消費税を申告・納付しないといけない場合は、以下の条件に一つでも当てはまった場合です
- 2年前の年の売上が1,000万円超
- 課税事業者を自ら選択している
- 前の年の1/1~6/30までの売上又は給与いずれか低い方が1,000万円超
- 相続により亡くなった親の2年前の年の売上が1,000万円超
※売上は課税取引について
そのため、起業後1年目・2年目の売上が1,000万円以下のフリーランスは、3年目で消費税を申告・納付する必要がありません。
もちろん、2.3.4に該当すると申告・納付が必要となります。
例えば起業後3年目で売上が1,000万円を超えた場合には、5年目に消費税の申告と納付が必要になるので、原則計算と簡易課税という計算方法の検討が必要になってきます。
消費税には原則計算と簡易課税という計算式がある
原則計算とは?
原則計算とは、
売上にかかる消費税 - 仕入(経費)にかかる消費税 = 納付税額
です。
ここで注意なのが、売上は100%消費税課税取引だとします。ただ、経費の中には、会費や税金・行政サービスなど非課税取引が混在しています。
原則計算をするのであれば、会計ソフトを入れて、消費税の課税・非課税の区分を消費税精算表という表を作成しなければならないです。
簡易課税とは?
簡易課税とは、売上にかかる消費税だけで消費税の計算をする特例計算のことです。
売上にかかる消費税 × みなし仕入率 = 納付税額
となります。
みなし仕入率とは、以下の減算できる率のことをいいます。
- 卸売業:90%
- 小売業:80%
- 製造業・建設業:70%
- 飲食店業:60%
- サービス業・金融保険業:50%
- 不動産業:40%
簡易課税を選択するには前の年の12月31日までに届出が必要
簡易課税を選択するには、以下の条件が必要です
- 2年前の売上が5,000万円以下
- 前の年までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出済
2.は前の年までに翌年の有利不利を推測して届出書を出せているかがポイントです。
この期日がもうすぐ年末ですので、近づいています。
簡易課税は2年間連続して強制適用というルールがある
簡易課税は、2年連続しないといけません。
そのため、起業5年目は有利だけど、6年目は不利になることもあります。
また、簡易課税をやめるには、「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出して、
提出の翌年から簡易課税をやめて、原則計算に戻すことが出来ます。
原則と簡易課税どちらが得か?
顧問契約しているフリーランスにお尋ねするのが、翌年・翌々年で建物や車など事業用のもので大きな買い物をしますか?
と質問するようにしています。
理由は、建物や車を買った場合には、原則計算で大きく消費税を減算できるためです。
売上にかかる消費税 - 仕入(経費)にかかる消費税 = 納付税額
この仕入(経費)にかかる消費税が大きくなるので、場合によっては、納付税額のところが、還付税額になることもあります。
簡易課税だと、売上のみしか計算式に使わないので、大きな買い物をしても納付税額が0円となります。
まとめ
フリーランスの売上が1,000万円を超えるようになった場合には、その翌年の12月31日までに簡易課税の届出を出すか。出さないかの検討をしましょう。
簡易課税は、一度出すと永遠効力があるので、事業用で大きな買い物(建物・車)などを買う場合には、前の年の12月31日までに不適用の届出を検討しましょう。
簡易課税は2年連続で強制適用なので、出すときは慎重に。
また、売上が1,000万円を超える場合には、法人成りを検討しましょう。
インボイス制度の導入前に法人成りすることのメリットはこちら↓
最後に
編集後記
年末は、フリーランスの方の顧客名簿と消費税の計算方法についてチェックします。税理士だけではなく、まずはフリーランスの方自身でご自身の消費税の適用関係をチェックして欲しいと思い記事に至りました。
昨日は、年末調整と個人事業主の方の月次入力という一日でした。
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