メルペイとペイペイのターゲットの違い<No.51>

QRコード決済シェア下位のメルペイとシェア1位のペイペイでは、ターゲットが違います。ターゲットが違えば、とるべき戦略が違います。シェア下位の会社がとった戦略について考えました。

※「巣鴨メルペイ通り」開催

メルペイの戦略

メルペイの一番の良さは、メルカリで売り上げた売上金をメルペイQRコード決済で、お買い物を出来る点にあります。

今までにも、ファッションや流行に敏感な若者向けの竹下の商店街では「竹下メルペイ通り」のイベントを行ったり、 レトロな古着や飲み屋の商店街がある高円寺の商店街では、「高円寺メルペイ通り」のイベントを行い、 特にフリマアプリの使いそうな若者やオタク文化での利用を促していました。

ただ、今までターゲットにしていなかったシニア層を取り込むイベントを行いました。

それが、「巣鴨メルペイ通り」のイベントです。

シニア層は、スマホを持ってない人が多い。メルカリを使ったことがない。また、QRコード決済などよくわからないという方が多いと思います。

「巣鴨地蔵通り」というシニアに愛されるニッチな場所に、メルカリの使い方を教えるメルカリ講座。

メルペイの使い方をサポートする「すすメルすぽっと」を設置。そして、商店街の店舗で200円値引きするキャンペーンをしたのです。

結果として、メルカリの取扱高は、年間4,900億円(2019年6月期)と前年度に比べ4割増えました。また、50代以上のの利用者は、6割増と顕著な伸びを示しました。

メルカリが、シニア層に目をつけたきっかけは、「生前整理」にありました。昔使っていたモノ、使わなくなったけど価値のあるモノを持つシニアは、多いようです。

今までスマホ、メルカリ、QRコード決済を使わなかったシニア層にファンを増やした。QRコード決済のシェアだけではなく、メルカリのシェアを伸ばしたことに戦略があったといえます。

ペイペイの戦略

ペイペイは2018年の100億円あげちゃうキャンペーンからたびたび、20%還元のキャンペーンを大々的に行い、シェア1位を走り続けています。

ただし、ペイペイが20%還元を行うため、その費用負担が重荷になっています。シェアを伸ばすことが第一であり、その後の先行者メリットとして、後に決済手数料(売上)を伸ばす戦略です。

国とペイペイで最大10%キャンペーンを消費税が上がった2019年10月~11月末までしており、その後もたびたび行う予定のようです。

消費者としては、ポイントに敏感な若い層から40代での利用が多く、代理店は、シェア1位であり、導入に時間がかからないため利用するお店が増えています。

シニア層の取り込みという点では、ソフトバンクショップの店頭を活用し、利用者を直接サポートしています。

戦略の違いまとめ

メルペイは、レトロ、オタク、シニアのニッチな分野でシェアを伸ばしています。

また、今までメルカリを使ったことのなかったシニア層を新しくターゲットとしています。

やはり、メルカリの全体の取扱高が4割、シニアの利用者の伸びが6割というのは、驚異的な伸びだと思います。

メルカリを使っていただくためのメルペイ、使ったことのないニッチな層の獲得に成功したといえます。

ペイペイの戦略は、シェア1位になったきっかけは、2018年12月の100億円キャンペーンからの20%還元にあります。

販売促進費に時間とお金をかけるキャンペーンをし、利用者としては、比較的取り入れやすい若い層から利用されています。

おそらく、シニア層の取り込みは、ペイペイのシェアを上げるための課題だといえます。

この2社のシェア争いについては、どこをターゲットにするのか。

どういった商品を提供するのか。どういった広告をするのかを考えさせていただくよい例だと考えました。

飲食店でもチェーン店もあれば、個人でやっているお店。

美容室でも大手があれば、新しく開業する美容師さん。税理士であれば、大手税理士法人と若手のITやクラウドに特化した税理士。

どの方に選んでいただくのか。どのような商品を提供するのか。どのような広告をするのか。最後はいくらで提供するのか。

まったくアプローチの違うQRコード決済会社。2社の戦略の違いを見て、別の業界にも置き換えられる気がしました。

シェア下位と上位のとるべき戦略の違い。お客様の状況に応じて対応したいと考えています。

■編集後記

メルペイはよくクーポンを発行してくれ、セブンイレブンのコーヒー、ローソンのソフトクリーム、ファミリーマートのバームクーヘンなど10円~30円ぐらいで買えました。

ただ、じつはニッチなシニア層やレトロ・オタク文化でシェアを伸ばしており、感心して記事にしました。

ペイペイは、意外とキャッシュレス還元事業者でないお店が多く、他の決済手段を使うことが多いと思う、今日この頃です。

昨日は、午前は保険の会議司会。午後は監査という一日でした。

■「1日1新」

むさしの森珈琲「シャインマスカットのパンケーキ」